今巷で話題の音声入力アプリを使い、実際に記事を作成してみることにした。
気づいた事、メリット・デメリットをつらつらっと書いてみる。
経緯
私は普段文字入力を行う際親指シフトを使用して文字入力をしているのだが、 この親指シフトという入力形式は通常のキーボードで通常通り入力することができない。有志が作成した変換ソフト(エミュレーター)を起動した状態で文字入力を行うことにより、通常の日本語キーボードでも親指シフト入力を行うことができるようになる。キーボードドライバとOSの間にエミュレーターをかませることで親指シフトを実現しているというイメージだ。
Windows 7までのOSを使用していた時はそれで問題なく使用できていたのだが、今のパソコンを windows 10にアップデートした際にストアアプリや標準ブラウザ一部ゲームなどでやまぶきR(いつも使用させてもらっている親指シフトエミュレータ)が使用できないと言う問題が浮き彫りとなった。
入力を行う対象がストアアプリであっても親指シフトに変換することができる(これまた融資が作成した)ソフトを2つほど見つけたのだが、右親指シフトをエンターキーとしても使用している私の配列ではどちらのソフトを使用しても元の環境を作ることはできず、作者に直接問い合わせてみると「やまぶきRというソフトがあるのでそちらを試してほしい」という回答が返ってきた。
私のキーボード入力環境はもうどうしようもないところまで来てしまったようなのだ。
やまぶきRが使用できるアプリケーションのみで文章を作成し、本来使用したかったアプリケーションにそれを貼り付けるといった回りくどいやり方なら今まで通り文書作成ができたのでしばらくはそうして入力していたのだが、いい加減面倒くさくなったので新しい入力方式を模索していた。
もう一つの理由に、今までの環境を継続するにあたってハードウェア面の問題も無視できないものになっていた事が挙げられる。
親指シフトはその名の通り左右の親指で1つずつのキーを押し、その押し方に応じてその他4本の指で入力した文字を変更するという極めて合理的な入力方式であるが、この入力を行うにあたって「両方の親指部分に押すことのできるキーが配置されている」と言う大前提が必要なのだ。
外でも文章を作成できるようにノートパソコンを探していた時期があったのだが、理想のスペックと価格を持つノートパソコンを発見したとしても最近のデザイン性を重視されたノートパソコンのキーボードはスペースキーがやたらと横に長いことが多く、その場合は両方の親指は一つのスペースキーしか押すことができない。
別にスペースキーでなくても変換キーだろうがALTキーだろうが、キーボードのレイアウトをレジストリからいじってやればいくらでも変更が聞くのだが、物理的にキーがない場合はソフトではどうすることもできない。
結局キーボードと要求スペックの狭間に揺られ、新しいノートパソコンを購入することを断念したのだった。
それぞれの理由の諸悪の根源である親指シフトという入力方式に私がなぜ至ったかというのにも、中々阿呆な理由があるのだが長くなりそうなので今回は記述を控えさせていただくことにする。
長々と前書きを書いたが、ようは私の文字入力の環境が一般的なものと大きく異なるのが原因なのであって今のキーボード入力環境に全く不満がない人にとってはキーボードから音声入力への移行は大きなメリットにはならないかもしれないことを先に書いておく。
この記事は音声入力の素晴らしさを伝える目的で作成したものではないのでべた褒めするような内容にはならないだろうが、以下に私個人が感じたメリットデメリットを記載する。
メリットから書くのが普通なので今日はデメリットから(反抗期)。
デメリット
「声を出さなければならない」
音声入力を行う際は、当然だが声を出さなければならない。これが作業を行う人と環境によっては少々曲者で、文書作成を行う人が誰しも声の出せる環境に身を置いているとは限らない。
例えば、私は今寝室のクローゼットをくり抜いて作った4畳程度の部屋で独りパソコンに話しかけながら記事を作成しているのだが、これは寝室に人がいないからできるわけであって妻が帰ってきて寝室を使い始めたら一人でペラペラとしゃべるのは難しくなる。
相手と会話するskypeなどとは違い記事の内容を全て発声することになるので私がどんなブログを書いているか、妻にはすべて筒抜けになるのである。
別に恥ずかしい言葉を言ったりするわけではないが、なんとなく恥ずかしいような気持ちになる事は避けられないだろう。
こんなくだらない理由とは別に、静かな事務所や壁の薄いマンションでの一人暮らしなどもっと全うな理由で声を出すことができない人も少なくないと思われる。そういった方々には当然この入力方式はお勧めできない。
小さな声(俗にいうコショコショ声)でもある程度正しく認識してくれる(これは音声認識ソフトにもよる)のだが、ハ行など一部の言葉の認識率が下がってしまうのは避けられないし、コショコショ声を聞いた人に「人に言えないようなことをしているのではないか」という疑念を抱かせてしまう恐れがあるので 私はあまりしたくないと思った。
「ヘタをするとキーボード入力よりも遅くなってしまう可能性がある」
キーボードでの文章入力に慣れていて、今でも不自由なく十分な速度で文字入力を行うことができる人にとってはおそらくスピードアップとしての音声入力は期待外れとなるだろう。
と言ってもこの音声入力、認識精度は当初私が想像していたよりはるかに高く、ほぼ確実に言葉を読み取ってくれるのだが、変換に関しては(これもソフトによるのだろうが)思った通りにならないことが多くある。
修正箇所をマウスでドラッグしその状態で再び言葉を話すことによって修正前の文章をキーボードで削除する手間なくさっと修正することが出来るのだが、そんなことをしている時点で もうすでに通常のタイピング速度に対し大きく遅れをとっていると言わざるを得ない。
言葉を話すように文章を打つことができる人は 肩こりや指の疲労軽減目的以外での音声入力(つまり入力速度のみを目的とした)は非効率的と思われる。
無理やりデメリットを考えてもっと書こうと思ったが現場思ったより快適に文字入力ができているのでいまいちこき下ろす気にもならなかったため早くもメリットに移ろうと思う
メリット
「素早く文字入力を行うことができる」
キーボードより早くなるかは人次第だが、私の場合大きく入力速度が向上していると言える。
単純な入力速度ではキーボードを使用し打鍵した時の方が早く文字が打てるが 、頭で思った文章をキーボードで入力している最中に勝手に内容を変化させてしまい、入力した後に「なんだか勢いのない文章だ」と感じ 一つの文章を何度も付きっきりで修正してしまうという悪い癖がある私にとっては、話した内容をそのまま文章にすることができるということは単純な入力速度という面以外でも文章の作成速度を大きく向上させてくれている要素となっている。
「頭に浮かんだ発想を逃すことなく文章にすることができる」
先にも書いたが頭に浮かんだことを文字に落とし込んでいく作業のなかで元の文章を無意識に変更をしてしまうことがあり(もしくは入力中に忘れてしまい)、 非常にもったいない思いをしてきた。
ブログの記事作成というよりは小説の執筆などで大きなメリットとなる可能性のある事柄であると思う
一度文字に起こしてしまいさえすれば仮にその文が微妙だったとしても修正してしまえばよく、浮かんだアイデアの忘却という大きな損失を防ぐことができるのは大きなメリットと言える。
「自由な体勢で文字入力を行うことができる」
体の前方中央に設置したキーボードに両肩から腕を伸ばすという姿勢を続けるということはあまり楽なものではなく、自由な姿勢で入力することのできるこの音声入力は記者・ブロガーなどにとって職業病とも言える深刻な体の異常から脱出するひとつの足がかりとなるのではないかと思う。
誤字の修正が必要なので完全にハンズフリーとはいかないが片手にマウス1つ持った状態で体を斜めにしながらパソコンに向かうことができるこのスタイルは今までの文書作成の常識を大きく覆す可能性を秘めていると言えるだろう。
「外でも快適に文章作成をすることができる」
これは仕事柄車内で過ごすことが多い私にとっては大きなメリットである。
もともと車内で文章を作成するためにノートパソコンを探していた私にとって、家にいようが車にいようが全く同じ方法で文字入力を行うことができることは大きな魅力であり、これからの私の作業環境を一新してくれることだろう。
どちらとも言えないこと
「ヘッドセットを買う必要がある」
現在スカイプ用のスタンドマイクを認識精度を上げたいがために持ち上げて使用しているのだが、早くも手が疲れてきている。最初は机に置いた状態でマイクに話しかけていたのだが、もっと大きく話せと怒られてしまった。怒られないためには大声を出すか口とマイクの距離をある程度近くしなければならないのだが、それにはヘッドセットを使用するのが一番手っ取り早いと思われる。
今時ヘッドセットなんかは割と多くの人がすでに持っていると思われるのでこれをデメリットとして記載するのは気が引けたためここに書くことにする。
「音声識別ソフトを買う必要がある」
google を使用すれば無料で試せるので買う必要はない(どっちだよ)。
しかしあなたがブログ作成や小説執筆に音声入力を使用し始めたとき、その利便性に感動し必ずや有料の音声識別ソフトを購入したくなることでしょう(テレビCM)。
「文字を打つのがバカバカしくなる」
この短い記事を作成している最中にもうすでに発生している問題(?)なのだが、今まで音声入力を試しさえしなかった自分は一体何を意固地になっていたのだろうかと問い詰めたい思いでいっぱいである。
その変貌ぶりたるや google の検索窓を見ると無意識にマイクボタンをクリックしてしまうほどであり、この歳にして新たに訪れたパラダイムシフトの前兆がうかがえる。
「キーボード入力の時とは文章の漢字が少し変わってしまう」
良くも悪くも話した内容が全て文字に起こされるので話し言葉になってしまったり、かしこまった文章になってしまったりする
もしあなたが手入力と音声入力で文章の雰囲気が変わってしまうタイプの人だったならこれはデメリットとなるかもしれない。
私はあまり気にならなかった。
まとめ
以上が「私が感じた」音声入力におけるメリット、デメリット、その他である。
私はデメリットよりメリットの方が大きく感じたので、これからしばらくは音声入力で文章作成をしていこうと思っている程度には気に入った。
このままでは有料の音声認識ソフトを買ってしまう日も近いかもしれない。
ノートパソコン代が浮いたのだと思いは有料ソフトなど安いものなのだが。
ちなみにこの記事は約4300文字、 作成にかかった時間は1時間半である。
優柔不断で添削ばかりしてしまう私にとっては革命的な速さで記事を作成することができた。
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